日帰り大腸ポリープ切除

Polyp

大腸ポリープについて

大腸ポリープは、大きく腫瘍性のものと非腫瘍性のものに分類されます。
腫瘍性のポリープの代表は『腺腫』と呼ばれ、がん化するリスクをもつことが知られています。つまり、腺腫は良性のポリープですが、将来の「がんの芽」でもあるわけです。
実は、便潜血陽性がきっかけで大腸カメラを受けた方の30%から50%に大腸腺腫が見つかると言われています。
ですから、定期的に大腸カメラをうけて、腺腫のうちに発見して摘除しておけば、大腸がんを予防できるわけです。
便潜血陽性などで精密検査をされ、病変がみつかった場合、当院ではその場で大腸ポリープの治療まで完結することが可能です。
また、他院で発見したポリープの切除など、あらゆるケースに対応します。

日帰り切除の安全性

当院には日帰り大腸ポリープ手術の実績がありますが、「発見してすぐ切除することにリスクはないのか?」という疑問もあるかと思います。
安全面を担保できる大きな要因の一つは、内視鏡治療の実績があり、胃腸疾患に精通した「大腸の専門医」が、手術を担当することがあげられます。
ハイボリュームセンターで数多くの手術を担ってきた専門医ゆえに、ポリープの性状や大きさなどから、日帰りで安全に切除することが可能かを瞬時に判別可能で、安全性を十分に確保できる場合に、適切な処置具と安全な方法で、日帰り手術を行います。
また、総合病院で導入されている内視鏡システムや手術器具、腹腔鏡手術で用いられる二酸化炭素システムなどを導入し、充実した手術体制を整備しています。
一方、ポリープのサイズが一定以上に大きい場合、抗血栓薬を内服中の方など出血リスクが高い場合や、既にがん化していて粘膜下に浸潤が疑われる場合などは、速やかに提携している医療機関と連携して、入院治療へと繋げます。

院長・スタッフ紹介

当院は「広島県大腸がん
医療ネットワーク」
の連携施設です。

※「広島県大腸がん医療ネットワーク」とは、大腸がんなど消化器がんに対して、診断から治療、治療後の経過観察まで、
切れ目のない適切な医療を提供することを目的に、一定基準を満たす医療施設が連携するネットワークです。
当院は「広島県がん医療ネットワーク」の連携施設ですので、万一、入院治療が必要な病気がみつかった場合でも、
診断から治療・治療後のフォローアップまで切れ目のない、迅速な病診連携や対応が可能です。

主な連携病院

当院のポリープ切除術の
種類

コールドポリペクトミー
(CSP)

スネアを使用したポリープ切除では、ポリペクトミーのように熱で焼き切るのではなく、締め付けることでポリープを切除します。この方法では、熱による粘膜障害がないため、術後しばらくしてから起こる後出血や穿孔のリスクが非常に低いとされています。施術中に出血があっても、ほとんどの場合、即座に止血が可能です。このような理由から、近年ではこの方法が主流となっており、当院でも多く実施されている手術方法です。

内視鏡的粘膜切除術
(EMR)

平坦でスネアがかけにくいポリープや、大きめのポリープを切除する際には、いくつかの方法が使用されます。最近頻度が増えている「underwater法」では、病変を浸水させた状態で焼き切ります。また、粘膜を生理食塩水などで膨張させた後にスネアをかけ、高周波で焼き切る方法もあります。さらに、有茎性の病変の場合には、特殊な器具で茎を阻血させた後に手術を行うこともあります。この方法は当院でも2番目に多く行われている手術です。

ポリペクトミー
(HSP)

スネアと呼ばれるワイヤーに高周波電流を流し、その発生した熱でポリープを焼き切る方法です。以前はポリープ切除の一般的な方法として広く使用されていましたが、ポリープだけでなく下部組織にも熱が伝わる可能性があり、出血や穿孔のリスクが伴います。そのため、当院では病変が治療後に残存する場合や、安全性が確保できる微小な病変にのみこの方法を使用しています。

ポリープ切除後の注意点

大腸ポリープ切除は、日帰りとはいえ手術に分類される行為です。そのため手術当日は安静が必要であり、また1週間程度は食事などに注意すべきことがあります。
注意事項は手術状況、個々によって異なりますが、術後のトラブルを防ぐために遵守していただく必要があります。

食事
手術後は食事を摂ることができますが、当日はおかゆやうどんなど、消化に良いものに限ってください。
翌日以降は制限が緩やかになりますが、1週間程度は刺激物や脂肪分の多い食べ物は避けるようにしましょう。
運動
手術翌日から散歩などの軽い運動は可能ですが、ジョギングやスポーツ、重い物を持つこと、大声を出すことは1週間程度避けてください。
これらの行為は腹圧をかけるため、患部に負担がかかる可能性があります。
旅行・出張
長時間の乗り物を利用すると、腹部に振動が伝わり続けるため、旅行や長距離の出張は避けてください。この点を考慮し、大腸内視鏡検査は旅行や出張のない時期に行うことをおすすめします。
アルコール
飲酒は血行を促進するため、出血のリスクがある手術後には避けるべきです。実際、術後の出血の多くは飲酒に関連していることがわかっています。指定された禁酒期間は必ず守ってください。
入浴
シャワーは手術翌日から利用できますが、指定された期間中は短時間で済ませてください。また、長時間湯船に浸かることは血行を促進し、出血の原因になる可能性があるため避けてください。
MESSAGE

当院からのメッセージ

当院では大きな組織では実現しずらい、一人ひとりの患者様に寄り添った、一律的ではないクリニックならではの細かい配慮の届いた検査や治療を提供したいと考えています。
消化器内科医の中でも専門分野は多岐にわたり、検査時の苦痛や大腸ポリープの発見率、正確な診断や治療、治療後の対応が異なる場合があります。これまで胃腸疾患の内視鏡診断・治療を専門に消化器診療をしてきた内視鏡医であれば、微小病変の検出率が高く、ポリープやがんの性状をみて、正確な診断・適切な治療に繋げることが可能です。
一人でも多くの方に、安心して治療を受けていただけるよう、当院では安心安全で、少しでも苦痛の少ない治療を追求し続け、これからもスタッフ一同、弛まぬ努力を続けてまいります。