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内視鏡専門医が解説:「昨年も便潜血が陽性でした」どうしましょう?

健康診断やがん検診で
「今年も便潜血陽性でした」
「実は昨年も陽性だったんです」

このように消化器内科外来に相談に来られる方は、決して少なくありません。

「去年も大丈夫だったし…」
「痔があるから仕方ない」
「去年は忙しくて内視鏡検査できなかった」

そう思って、そのまま放置していませんか?

今回は、便潜血検査が2年連続で陽性だった場合に、どう考えるべきかをわかりやすく解説します。

便潜血検査とは?

便潜血検査は、目に見えない微量の血液が便に混じっていないかを調べる検査です。

主な目的は、大腸がん・大腸ポリープの早期発見です。

✔ 痛みなし
✔ 自宅で採便が可能
✔ 毎年の健康診断・がん検診で実施

という手軽さから、消化器以外の病院やクリニックでも幅広く行われている検査です。

「昨年も便潜血検査が陽性」 次にとるべき行動は?

健康診断で
「今年も便潜血陽性」
「実は昨年も陽性でした」

このような場合、
昨年に大腸カメラを受けているかどうか」
で、考え方と対応が少し変わってきます。

今回は、

  • 昨年検査を受けていない場合
  • 昨年検査を受けた場合(特に初回だった方)

に分けて、詳しく解説します。

① 昨年、精密検査(大腸カメラ)を受けていない方の場合

この場合は、今年こそ大腸カメラでの精密検査を受けて頂くことを強く推奨します。

便潜血検査は、
**「異常がある可能性を知らせるサイン」**です。

そのため、

  • 2年連続で便潜血陽性
  • 前回精密検査を受けていない

となると、

出血の原因が未確認のまま
・大腸ポリープやがん、粘膜のただれ(潰瘍性大腸炎の初期など)を見逃している可能性

があります。

特に注意が必要なのは、

  • 大腸がんの初期は症状がほぼない
  • ポリープは数年かけてがん化する場合が多い
  • 「去年も陽性だった」という事実自体がリスク

という点です。

「今年も陽性だった」ではなく、
「2年続けて陽性だった」ことが重要
なわけです。

② 昨年、大腸カメラを受けられた方の場合

「去年はちゃんと検査したから大丈夫ですよね?」
このように思われる方も多いですが、下記が大切なポイントです。

✔ 昨年の検査が「人生で初めての大腸カメラ」だったかどうか

前回が初めての大腸内視鏡検査だった場合

実は、
初回の大腸カメラだけでは、どうしても見落としが起こりやすいことが報告されています

その理由は…

  • 大腸の走行に個人差がある
  • 検査を行う医師によって、病変の検出率が異なる
  • 便や残渣の影響を受けやすい
  • 平坦なポリープ(扁平病変)は発見が難しい
  • 初回は「どんな大腸か」が分からない状態での検査

そのため、

・2回目検査を受ける事で、病変の見落としが減る
初回で分かりにくかった病変が見つかるケースがある

ということは、実際の臨床でもよくありますし、総合病院で内視鏡治療の紹介を頂いて、改めて精密検査を行うと、他にも病変が見つかることも、多々経験されます。

「一度検査したから終わり」ではなく、
**「2回目で精度が上がる」**という考え方をもって頂くことも重要です。

✔ 前回、ポリープを指摘された・切除した場合

この場合も、再検査にはとても意義があります

  • 他の部位に小さなポリープが新たにできることがある
  • 前回は切除対象でなかった病変が成長している場合がある
  • ポリープができやすい体質の方は、再発しやすい

これらの理由から、再度大腸内を確認する価値があります。

✔ 前回検査で「異常なし」と言われた場合でも…

昨年検査を行い異常がなく、便潜血が再び陽性になった場合、

  • 新しくできた病変
  • 前回は検出できなかった病変

の可能性は、完全には否定できません

年間数万件の内視鏡検査を実施している総合病院に勤務していると、1年前の内視鏡検査で異常なしとされた方でも、今年内視鏡検査を行ってみると、新たに大腸がん(進行の早い特殊ながん)やリンパ腫、潰瘍性大腸炎などの病気がみつかるケースも経験されます。

ですから、

  • 前回が初回の内視鏡検査だった方
  • 検査から1年以上経過している方

場合は、専門医による再検査を検討して頂く意義があると思っています。

当院の内視鏡検査での取り組み

当院の内視鏡検査では、大腸の専門医による質の高い内視鏡検査に取り組んでいます。

  • 内視鏡専門医の中でも、特に大腸の病気を専門にする医師による精度の高い内視鏡検査が可能
  • 大腸ポリープがみつかった場合には、その場でポリープの日帰り手術が可能
  • 仮に大腸の早期がんがみつかった場合でも、迅速連携施設での入院治療が可能
  • 専門的な診療が求められる潰瘍性大腸炎やクローン病が疑われた場合でも、IBD専門医が診断から治療までサポート可能

内視鏡検査を受けていただいた患者さんから

「思っていたより楽だった」
「もっと早く受ければよかった」

などの有難いお言葉を頂くことも多いと実感しています。

まとめ

  • 便潜血が昨年も今年も陽性の場合、特に昨年検査をされていない方は要注意
  • 痔があっても安心はできない、症状がなくても大腸の病気は隠れている事がある
  • 見落としの可能性や特殊な病気の可能性を忘れない

以上、今回は「2年連続で便潜血陽性」であった場合の対応を解説しました。

そのほか健診異常などで相談などありましたら、いつでもお気軽に外来でご相談ください。

❖便潜血・血便のご相談は右リンクまで❖ https://www.maeda-cl.net/colon/

執筆者情報

院長

佐々木 政敏

経歴

昭和60年
島根医科大学病院
昭和62年
広島大学病院
平成元年
西広島医療センター
平成3年
前田医院院長
平成26年
東広島地区医師会 理事就任
平成27年
東広島内科会 会長就任

副院長

佐々木 悠貴

経歴

平成28年
倉敷中央病院
平成31年
倉敷中央病院リバーサイド
令和1年7月
日本鋼管福山病院
令和1年10月
岡山市立市民病院
令和2年4月
倉敷中央病院
令和3年4月
広島市立広島市民病院
令和5年4月
岡山大学病院
令和6年4月
広島市立広島市民病院